吉田塾では夏休み期間中の課題として中学生には「1学期に学習した教科書の範囲を和訳→英訳する」ことを課しています。例えば1学期にレッスン1~4まで進んだとしたら、その範囲の「基本例文」、「本文」を以下の手順で復習してもらうのです。
①英文をノートの左側に写す
②ノートの右側にその和訳を書く
*和訳は授業時にチェックします。
③自分の書いた和訳を見てそれを英訳する
*直しは教科書を見て赤を入れます。
④音源を聴き読み方を確認する。
⑤音源を真似て音読する。
*音読はボイスメッセージなどで録音・送信してもらい、フィードバックを行っています。
このような、「英文書写→和訳→英訳」という学習方法は最近では「復文」と称されて、市民権を得てきていますが、実は昔からある語学の普遍的かつ効果的な学習方法です。しかし、この「復文」にもコツというか大事なポイントがあって今回はそれについて少し述べていきます。
ポイント1:英文と和訳した日本文の主語と動詞を合わせる
例えば次の英文を和訳した時に・・・・
He runs very fast.
△ 彼は走るのがとても速いです。
〇 彼はとても速く走ります。
中学生で英語が苦手なお子さんは△印の和訳をすることが多いです。もちろんこの和訳は正しいのですがこの場合頭の中では・・・
He runs very fast.=彼は走るのがとても速いです。
となっていて
He=主語=彼は
runs=動詞=走る
という英文の骨格がつかめておらず、応用が利かない可能性があるのです。そこで2つ目のポイントです。
ポイント2:英文の意味を単語単位、句単位で意味をとらえる
先ほどの例文を単語単位に分解してみましょう。
He=彼は
runs=走る
very=とても
fast=速く
前述のような和訳をする生徒は「語句レベルでの日英の対応」ができていないことが往々にしてあります。そしてこれができていないと日本語→英語の再現がなかなかできないのです。もう少し複雑な例文で考えてみましょう。
I’m going to visit my cousin in Okinawa.(光村図書、Here We Go 2、 p32)
△ 沖縄のいとこの家に行くつもり。
〇 私は沖縄にいる私のいとこを訪ねるつもりです。
I=私は(語)
am going to visit=訪ねるつもり(句)
my cousin=私のいとこを(句)
in Okinawa=沖縄にいる(句)
このように「ざっくりとした意味」ではなく「一語一語の意味と役割を理解した和訳」ができるようにすることが大切です。そうすれば今度は別の英文を書くときにそれを応用することができるのです。たとえば・・・
彼女は週末に上野動物園にいるパンダを見に行くつもりです。
She=彼女は
is going to see=見に行くつもりです
pandas=パンダを
in Ueno Zoo=上野動物園にいる
this weekend=週末に
このように英文を和訳する際には「語単位」(=cousin)「句単位」(=in Okinawaなど)で意味を理解し、それを英訳できるようにすることが大切です! See you!