対話と自学を通して思考を鍛える
英検ライティング対策を題材に、対話型・自学型指導のイメージをつくってみました。生徒は、主に英会話で英語を学んできた小6の子で、今度英検3級の受験を控えています。以下のイメージは、実際の生徒指導をもとにした架空の会話です。
Which do you like better, hot weather or cold weather?(英検3級 2021年度 第2回)
こんなふうに書いてみました。英会話教室でも話したことあるお題だったので、自信あります。
I like hot weather. Because I can go out and enjoy flowers. …

おーいいですね!よし、ちょっと直していこう。まず、最初のBecause…
え!ここ違うんですか?英会話教室でもよくこんなふうに使ってるような…

うん、このbecauseってどんな意味だと思ってる?
「なぜなら」ですよね?

その日本語、落とし穴だよ!意味は間違ってないんだけど、それだと使い方を間違えちゃうことがあるんだ。ちょっと、becauseを使っていない英文で考えてみようか。
I lived in Okayama when I was young.
「私が若かったとき、私は岡山に住んでいました」かな?

そうだね!これをね、こんなふうに区切って書いたらどう思う?
I lived in Okayama. When I was young.(×)
ん、なんか気持ち悪いです。前の文と後の文がぶつぎりになっててつながってない…

その通り!このチョン(.)ってマークは「ピリオド」って言って、日本語の「マル(。)」とおなじだね。
それは知ってます。でもbecauseと関係ありますか?

大いにあるよ。ちょっとwhenに着目してみよう。さっきの文、こんなふうにしてみたらどうだろう。
When I was young, I lived in New York.
「私が若いとき…」あ、さっきとおなじ意味です。

だよね。さっきと順番がいれかわってるのにおなじ…
あ、なんかわかってきた気がする。これもこんなふうに書きかえることはできないですよね?
When I was young. I lived in New York.(×)

そう!
もしかして、becauseもwhenとおなじで、becauseの後ろの文をどこかもうひとつの文につなげるってことか。

よく気づいたね!ってことはどう直す?
んー…マル(.)をテン(,)に変える?

そうそう、このテンは「カンマ」って言ったりするよ。becauseの意味は「なぜなら」でいいかな?
んーどうだろう?

「後ろの文+だから」っていうふうに、後ろの文もかかわるように覚えるのはどうだろう?
あーなるほどです。確かに「なぜなら」だと使い方を間違えちゃうかも。でも、記号だけでバツになっちゃうなんて、なんかきびしいなあ。

まあそうも思えるかもね(笑)でも、英会話教室で話すときには意識しないかもしれないけど、実は書くときには文と文を区切ったりつなげたりするとか、書き方のルールがあるんだよ。becauseっていうたった1語だけど、意味だけじゃなくてしっかり使い方も守ってあげようね。ほら、この参考書のこのページにいまやったことが書いてあるから、ちょっと読んでみて、ここの例文をノートに和訳しながら暗記してごらん。20分後にテストしにきます。
うわ!漢字が多い!じゅ、従属接続詞…?英語はむずかしいなあ。でも、今まで意識してなかったことがピンときた気がする。頑張るぞ!
例えば上記の英文も、Becauseに赤を引いて「〜, because…に直そう」とだけ伝える添削もできたと思います。しかし、それは果たして本当の理解につながる指導でしょうか?講師は生徒ひとりひとりのバックグラウンドや思考癖を想像・察知して、もっとも効果的・効率的な方法を導きます。対話と自学を通して思考を鍛え、自らの力で理解に到達し、学ぶ喜びまで知ってもらいたいという願いがあります。