なんで英語を勉強しないといけないの?

 昨日、授業中に中2の生徒から「先生、なんで英語を勉強しなくちゃいけないんですか?」と唐突に質問されました。英語が苦手な子、英語が嫌いな子が良くする質問です。

「え?勉強した方が良くない?」
「でも日本にいたら別に英語使わなくても生きていけるし」
「そうだね」
「海外でもポケトークあれば大丈夫そうだし」
「なるほど」
「まだ、数学とか社会とかは面白いなと感じることもあるんですけど、英語は楽しくないです」
「そうなんだ」
「文系に行っても理系に行っても英語がついてくるから最悪です」
「ふーん。とりあえず文句言ってても時間がもったいないから問題解いたら?」
「はーい」

授業中だったのできちんと質問に答える時間はなかったし、たぶん、英語を学ぶことの重要性は本人もわかっていて、それでも課題が多くて大変だから、ストレス発散的に私に八つ当たりしてきたのだろう、と判断してさっきの質問ははぐらかしてしまいましたが、もし、時間をかけて丁寧に答えるとしたらどう答えるだろうか?そんなことが頭の片隅には残っていました。
 で、「なぜ英語を勉強しなければならないのか?」という問いに対する答えを考えてみました。

「先生、なんで私たち英語を勉強しないといけないんですか?」
「義務教育のカリキュラムに入っているからね」
「でも、なんで英語は義務教育になってるんですか?日本なのに」
「君たちが生きていく上で大切な技術だからじゃない?」
「そんなに大切ですか?日本にいれば英語を使う必要はないじゃないですか?外国行ってもポケトークがあれば大丈夫そうだし」
「それも、これからは変わるかもしれないね。それと英語を使わなくても生きてはいけるかもしれないけど、使えた方が人生の選択肢が増えるし、将来働くときに収入が高くなる可能性が強いと思うよ」
「え、何でですか?」
「今もすでにそうだけど、今後どんな仕事をしても外国の企業や外国人とのつながりのない仕事は極めて少なくなるだろうし、外国の人とやり取りする場合の共通言語は英語なので、英語を使える人材はどの企業でも優遇されるから」
「理屈は分かるけど、なんか納得いかないなぁ。だいたい、楽しくないし、英語の勉強」
「例えば自転車もさ、乗れるようになるまでは楽しくないんだよ、転んだら痛いし。でも補助輪が外れて、一人ですいすい漕げるようになれば、どこへでも一人で行けるし、歩くより早いし便利だろ。英語もさ、もう少し読めるようになったら楽しくなるよ、きっと」
「自転車の練習してた頃なんて覚えてませーん」
「まじ?」
「はーい」
「じゃあ、えーと、水泳とか?楽器とか?」
「とりあえず、英語やらなきゃいけないみたいなんでやりまーす」

 さて、実際はどんな問答になるのだろうか(笑)