この夏、英語長文にとりかかる受験生が多くいます。しかし、始めるにはまだ早い人もいるため、まだ始めてはいけない状態を述べることで、逆説的に、読解にとりかかってOKな基準をここで明示しておこうと思います!
1. 単語がわからない状態で読むのは無駄
英語の長文に取り掛かる前に、まず基本的な語彙力を身につけることが不可欠です。なぜなら、知らない単語が多すぎると当然文章全体の理解が難しくなり、読解が進まないからです。1つの長文の中に10個以上知らない単語があるなら、その長文は自分のレベルに合っていません。
語彙力の重要性
語彙は言語の基盤であり、単語を知らなければ文章の意味を掴むことはできません。長文を読む際には、多くの単語が一度に出てくるため、基本的な語彙(語法やイディオムも含む)が不足しているとスムーズに読めないだけでなく、モチベーションも下がってしまいますね。
効果的な語彙習得方法
- 単語帳の活用: 徹底的にやり込んでください。覚えていないものには付箋を貼り、周回しましょう。高3の夏休みであれば、人によっては1日2時間かけても良いくらいです。
- フラッシュカード: スマートフォンアプリなどを活用して、隙間時間に単語を覚えます。Quizletの単語テストや、小テストジェネレーターを使ってのテストの出力もおすすめです。
- コンテクスト(文脈)で覚える: 単語を文脈の中で学ぶことで、意味だけでなく使い方も身につけます。速読英単語や文で覚える英単語を使って音読し、文中でどのように訳されるかを習得しましょう。
2. 文法の基礎ができていない状態で読むのは無駄
語彙と同様に、文法の基礎ができていないと長文読解は非常に困難です。文法の知識がないと、文の構造や意味を正確に理解することができません。極稀に、単語だけ頭に入れてフィーリングで読み進める人がいますが、絶対にやめましょう!
文法の基礎とは
基本的な文法事項としては、主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)の役割と位置関係を理解することが挙げられます。これらの知識がないと、複雑な文章構造に対処できません。英文解釈前の基礎ですね。
また、各文法事項を覚えるのはもちろん、それらの文中での役割を概念的にとらえることも重要です。例えば、分詞や関係代名詞は名詞を修飾するただの形容詞の役割に過ぎないことがわかれば、実は対して難しくないのです。
文法学習の方法
- 文法書の利用: 基礎から丁寧に解説されている文法書を使い、体系的に学習します。初学者は大岩のいちばんはじめの英文法がおすすめです。総合英語系の参考書は1冊手元にもち、不明点をその都度しらべながら学習しましょう。
- 練習問題: 文法問題を解くことで理解を深めます。イチから鍛える英文法のような、4択問題を解くときの「思考のプロセス」まで丁寧に解説してくれている参考書がおすすめです。
- 実際の文章で確認: 学んだ文法を実際の文章の中で確認し、実践的な理解を促します。ある程度問題が解けるようになったら、ランダム英文法など文法ごとではない参考書をやってみるのもよいでしょう。
3. 英文解釈の基礎(SVOCがふれる)がない状態で読むのは無駄
語彙と文法の基礎が固まったら、次に必要なのは英文解釈のスキルです。特に、SVOC(主語、動詞、目的語、補語)の識別、それ以外の修飾語の識別ができることが重要です。難解な倒置などはあとでやれば良いので、まずは基本的な文を頭から正しく読めるように学習を進めていきます。
英文解釈の重要性
長文を読む際には、一文一文を正確に解釈する力が求められます。SVOCが分かることで、文章の構造が見え、意味を正確に捉えることができます。どんな難解な文章でも、第5文型のいずれかに分類することができるので、曖昧読みを避けるためにもまずは1語、1カタマリごとにSVOCや品詞の分類マークをつけて精読していきましょう。
英文解釈の練習方法
- 例文分析: 例文を使って、主語、動詞、目的語、補語を識別します。英文解釈の初学者は肘井の読解のための英文法がおすすめです。
- 構文解析: 複雑な構文を分解し、意味を把握します。慣れてきたら基礎英文解釈の技術70や100に取り組みます。難関大学を目指す人はポレポレや英文熟考もおすすめです。
- 多読と精読のバランス: 量をこなしながら、細部まで丁寧に読む訓練を行います。精読の先に速読があるので、まずは基礎を固め、正しく解釈できるようになってから多読をしていきます。
結論
長文読解に取り掛かるタイミングは、語彙力、文法力、そして英文解釈力がしっかりと身についてからが最適です。これらの基礎が固まっていれば、長文読解はよりスムーズに進み、理解度も高まります。しっかりと準備を整えて、長文読解に挑戦しましょう!
それでは
See you again!