「速い」と「速く」から見る、形容詞と副詞の役割の違い〜形容詞編〜

「速い」と「速く」の違いについて

どちらが形容詞で、どちらが副詞か。またその違いは何か。なんとなく理解したままの人、結構いるんじゃないでしょうか。この違いを明確に理解することは、形容詞と副詞の役割を理解するうえで非常に重要です。

今回は、具体的な例を挙げながら説明していきます。大学受験にも役立つ内容なので、しっかり覚えておきましょう!

形容詞とは?
まず、「速い」は形容詞です。形容詞は名詞を修飾する言葉で、名詞の性質や状態を表します。

例えば、”a fast car”(速い車)という表現があります。この場合、「速い(fast)」は車(car)の状態を説明しており、車が速いという情報を伝えています。

他にも、
“beautiful flower”(美しい花)や
“smart student”(賢い生徒)など、
形容詞は名詞の前に置かれて、その名詞がどのようなものなのかを説明します。これによって、聞き手や読み手はその名詞が持つ特性をイメージしやすくなります。

また、形容詞の役割をする文法があり、これらによって文章中の名詞が修飾されます。実は形容詞がそのまま使われるより多かったりします。下記に5つ、まとめますので覚えてみてください。文章中の修飾関係がよりクリアに見えてくるのです。

副詞とは?
一方、「速く」は副詞です。副詞は名詞以外(動詞、形容詞、他の副詞、または文全体)を修飾する言葉です。副詞は「どのように」「いつ」「どこで」「どの程度」などの情報を付け加えます。

例えば、”He runs fast”(彼は速く走る)という文では、「速く(fast)」が走るという動作(動詞)を修飾しています。この場合、走るという動作がどのように行われているかを説明しています。

他にも、

“She speaks English fluently”
(彼女は英語を流暢に話す)

“He answered the question quickly”
(彼はその質問にすぐに答えた)

など、副詞は動詞の動作の様子を具体的に伝えます


では、今回は形容詞の役割をする文法を5つ紹介していきます。

1. 不定詞(to + 動詞の原形)

不定詞は「to + 動詞の原形」の形で、形容詞の役割をすることがあります。この場合、不定詞は名詞を後置修飾し、その名詞が持つ性質や目的を表します。

例:

  • “He has a book to read.”
    • ここで “to read” は “book” を修飾し、「読むための本」という意味を伝えています。

2. 前置詞 + 名詞

前置詞と名詞の組み合わせも、形容詞のように名詞を後置修飾することができます。この構造は、名詞の性質や関連性を説明します。

例:

  • “The girl in the red dress is my sister.”
    • “in the red dress” は “girl” を修飾し、「赤いドレスを着ている女の子」という情報を提供しています。

3. 分詞

現在分詞(-ing形)と過去分詞(-ed形)は、形容詞のように名詞を修飾することができます。これにより、名詞がどのような状態であるかを表現します。

例:

  • “The crying baby woke up everyone.”
    • “crying” は “baby” を修飾し、「泣いている赤ちゃん」という意味を伝えています。
  • “The broken window was repaired yesterday.”
    • “broken” は “window” を修飾し、「壊れた窓」という意味を伝えています。

修飾される名詞が「する側」なら現在分詞、「される側」なら過去分詞を用います。

4. 関係代名詞

関係代名詞(who, whom, whose, which, that)は、先行詞(修飾される名詞)に関する情報を追加する節を導きます。この関係節は名詞を後置修飾し、より具体的な情報を付加します。

例:

  • “The book that you lent me was fascinating.”
    • “that you lent me” は “book” を修飾し、「あなたが貸してくれた本」という意味を伝えています。

5. 関係副詞

関係副詞(when, where, why)は、名詞を後置修飾する関係節を導き、先行詞の時間、場所、理由を説明します。

例:

  • “I remember the day when we first met.”
    • “when we first met” は “the day” を修飾し、「私たちが初めて会った日」という意味を伝えています。
  • “This is the place where I grew up.”
    • “where I grew up” は “the place” を修飾し、「私が育った場所」という意味を伝えています。

これらを理解することは、文章構造を見抜くために非常に重要です。

形容詞だけでなく、不定詞、前置詞+名詞、分詞、関係代名詞、関係副詞も名詞を修飾することができるのです。大学受験において、これらを把握することで、複雑な文章を構造的に見抜き、正しく訳すことができるような「精読力」が求められます。日々の学習において、これらの概念を意識的に取り入れていくと良いでしょう!特に、長文を読むのが苦手な人は品詞の理解に立ち返ってみることをおすすめします。

次回は副詞について取り上げます!

See you again!