渋谷校から
こんにちは。渋谷校講師の藤本です。
こちらのブログで記事を書くのはこれが初めてになります。
今後、渋谷校での生徒指導を通して感じたことをこちらに投稿していこうと思います。
今日は、ある生徒さんのお話をしようと思います。
僕が渋谷校でみている生徒の学年はさまざまですが、そのひとりに中学1年生の方がいらっしゃいます。
有名中高一貫校の生徒さんですが、英語に関してはどうやって勉強すればいいかもまったく分からないといった様子で、入塾時は本人もとても困っているようでした。
ところが最近、塾で学ぶ姿をみていると、学習態度がワンステップあがったように映ります。
彼は、吉田塾での学習の際に「ある特別なこと」をするようになりました。
彼には日頃の学習で、教科書の本文と例文をノートに書かせて和訳をさせています。
当然学びはじめなので、わからない単語にぶつかることもしばしばです。こうしたとき、みなさんが中1だった頃はどんなふうに対処しましたか?
彼の行動の変化は、こうしたときに辞書に手が伸びるようになった、ということです。
なんだ、「特別」でもなんでもないじゃないか、と思うかもしれません。ところが、僕がこれまで指導してきた感覚だと、わからないときに辞書を引く生徒さんは本当にごくごく少数です。特に低学年になるほど顕著で、受験学年の高校3年生でさえ、こうした習慣が身についている生徒は少ない印象です。(辞書をもっていない生徒さんもけっこういるんです。)
中1の彼の行動でとくに感心したのは、have a concertという表現にあたったときのことです。「コンサートをもつ」だとおかしいので、辞書でhaveを引いてみたら「〜を開催する」を見つけた、と言っていました。
えーそんなこと…と思う方もいらっしゃいますよね。しかし僕は、これができるのは言語学習ではとても大切なことだと思っています。
比較的慣れ親しんだ語が意外な意味をもっていたというのは、英語学習をしているとよく経験することです。自分が知っている意味を当てはめてみてもどうもぎこちない。ところがこうした場面で、学習者の多くは不自然な理解をそのままにして、自分の手で調べることを怠りがちなものです。
中1の彼にしても、今後の英語学習でこのような未来は確実に待ち受けているわけです。そう考えると、学習初期のこの時期に「知らない」に直面したときの対処方法を知っているということは、今後の学習の大きなアドバンテージになるのではないでしょうか。
彼はいま、辞書にはどんな情報が載っているのか、少しずつわかってきている段階です。引いたものの意味や例文を書きとる癖も次第についてきました。
「特別なこと」が「普通のこと」になっていく様をみていると、近い将来の苦労が省かれていくようで少しだけ安心します。この習慣が成績に出るにはまだまだ時間がかかると思いますが、学習の土台ができてきたようで、今後が楽しみになります。