今日は午前中、(財)実用英語推進機構が主催で、(株)日本教材出版が後援のセミナー、「英語改革情報セミナー」を市ヶ谷の私学会館で受講してきました。
同財団は今日本で最も有名な英語講師で、多分上智大で1年先輩にあたる安河内哲也先生が理事長で、今日の講演も安河内先生が90分間話し倒す形でした。
内容は2020年より実施される「大学入試希望者学力評価テスト」(=新センターテスト。英語は読む・聞く・書く・話すの四技能テスト)に向けた英語指導の研修でした。
要するに、これまでの大学入試は、英語における四技能の中で、「読む」が大半を占めていたわけですが、これが新テストにおいては、四技能が均等配点になることが決まっており、それに向けて、授業の方法や指導内容も変化させなければ、塾もやっていけなくなるよ、というお話でした。
さすがに日本一有名な英語の先生だけあって、いちいちごもっともなコメントで、巧みな話術とも相まって、90分のレクチャーがあっという間に感じられました。
また、共感する点も多く・・・
・適当にわかりにくい解説をした方が生徒が伸びる
・(集団授業において)生徒に教えさせてみる
・1回の授業であまり多くのことを詰め込まない
・自分がしゃべる時間より生徒に作業(=active learning)
させる時間を多く取らせる
等は自分も常に意識していることなので、我が意を得たり!という感じでした。
どうしても先生というのは「完璧な芸」を見せたがるし、うまくできた時は自分に酔ってしまうようなところがあるのですが、授業の目的は「完璧なパフォーマンスを見せつけて、生徒から称賛をえること」ではなく「生徒のモチベ―ションを引き上げ、学力を向上させること」なので、生徒の成績や学力が上がるのであれば、別に教師が授業中に授業をしなくったっていいわけです。
つまり「教師によるteachingから生徒によるlearning」への転換が、英語の習得には不可欠だというのが安河内先生の主張です。
私もだいたい同感です。結局入試が変わらなければ、この国の英語教育は変わらず、そしてついに、大学入試が変わることで、明治以来(ひょっとして平安時代から?)変わらなかった外国語学習の流儀が大きく変わる時代がかなり近い将来やってくることになりそうです。