プロフィール
二神大輝
埼玉生まれ、埼玉育ち。幼少期から様々なものに興味をもち、「これだ!」と思うものにとことん熱中する性格だった。これまで、虫取り、格闘技、読書、絵描き、音楽(吹奏楽・管弦楽)、英語学習、旅、教育(仕事)にハマってきた。一人っ子ということもあり、昔から一つのことを黙々と極めていくのが好きで、興味の赴くままに何かに没頭し続けている(これは今も)。
漠然と、英語を勉強したいと思うようになったのは小学生の時。クリスマスプレゼントと一緒に、「サンタさんからだよ」と、母から渡された色紙には、英語の筆記体でなにやらメッセージが書いてあった。内容こそ覚えていないが、その時の感動は強烈なものだった。自分に当てられたメッセージという特別感はもちろんのこと、これを読めるようになりたい、こんなかっこいい文字を書けるようになりたいという気持ちが沸き起った。この瞬間、英語というものが自分の中で特別な「なにか」に変わったのを今でも覚えている。
そして中学校に上がり、いよいよ英語の勉強が始まる。当時通っていた塾、穎明学院進学スクール(現職場、EIMEIグループ)の先生の授業が面白くて、英語が大好きになった。授業のはじまりはトークから。生徒はみな大爆笑の渦に巻き込まれ、涙が出るほど、声がかれるほど笑った。それでいてやる時はピシッと。休日も自習室に行き、校舎が空いてなければ仲間内で集まって勉強して、成績はみるみる上がっていった。勉強の面白さというより、努力することでできることが増えるのが気持ちよかった。この快感は体の芯に染み付いていて、ついぞ今でも自身の行動原理の一つとなっている。勉強は、努力の量やタイミング、方向さえ間違えなければ、やればやるだけできるようになる。単純だが、それが勉強の良いところだ。
自分の得意を誰かのために役立てたい。また、自分がした苦労や失敗経験を伝えて、誰かの支えになりたい。中学2年生、この時から教育の道に進むことを志し始めた。
高校、大学も目標は変わらず、英語教師になることを目指して勉強を続けた。大学時代は部活(管弦楽部)に打ち込み、音楽漬けの毎日を過ごしながら、イギリス文学の研究を行った。3年次のゼミで取り扱ったシャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』という作品に感銘を受け、愛をテーマに卒論を執筆した。この頃から、英語を学ぶことと同じくらい、英語を通して知らない世界に触れることの面白さに惹かれるようになった。同時に、まともに英語を話すことができないまま、外の世界を知らないまま英語教師になって良いのか、疑念を抱くようになった。
4年次、教育実習の直前に教職を辞める決意を固め、英語の指導を突き詰めるために、予備校に就職して指導の腕を磨く道を選んだ。しかし間もなくして、職場を去ることとなる。上記の疑念、つまり英語力不足と英語圏に関する無知に耐えられず、このまま自分が授業をしていてはこの子たちにとって良くない、という気持ちが日に日に大きくなったからだ。英語が得意になる授業をするのはもちろんのこと、英語嫌いが英語好きになったり、海外での生活に憧れるようになったり、留学に行ってみたいと思えたり、海外で働く未来を目指したり、そういったワクワク感を感じさせられる英語の授業をしたい。その気持ちと、日々行う授業の間に乖離を感じ、受験生を送り出して1年で退職。カナダのバンクーバーに単身留学することとなる。
留学先ではパワースピーキングのクラスに所属した。毎朝自宅の洗面所で変顔体操をして顔の筋肉をほぐし、鏡を手に口元を見ながら発音の矯正を行い、スピーチ原稿を夜な夜な作成して暗唱の練習をし、ネイティブに近い発話が出来るよう訓練を続けた。2ヶ月目の最終課題Story Tellingでは、日本と北欧のホラー作品の作り方、演出の仕方という文化の違いを活かして作った短編作品のモノドラマ(スピーチ)で、ベストスピーカー賞を獲得した。また、ビジネススクールへの転入をして英語教授法のTESOLを学んだ。英語を英語で教えることができるようになることを目指し、TESOL basic, TESOL children, TESOL middle school, TESOL adult, TESOL test preparation全てのカリキュラムを修了。それぞれクラスを最優秀の成績(首席)で卒業した。
多国籍国家であるカナダにおいて、英語が母語ではない様々な背景の人に対して公立学校がどのように英語教育を行っているか、アジア圏の学校システムとの比較を通して学んだ。教師中心ではなく、生徒中心の教室、教材、声掛け、アクティビティ、対話をどのようにつくっていくかが大切で、これまで学んできた指導法がいかに教師中心であったかを痛感し、ひどく反省したのを覚えている。これを日本でもっと広げなくてはいけない。その使命感から、先生の教育実践を発信する、先生のための教育辞典EDUPEDIA(https://edupedia.jp/)に連絡をした。留学から帰ってきたその足で事務所に向かい、なにか力になれないかと熱意を伝えた。
記事①「英語嫌いにさせない!TESOLから学ぶ、自然と英語が身につく授業の作り方と先生の心構え」
記事②「英語教授法 “TESOL”を活かした授業実践(二神大輝先生)」
現在、英語指導はもちろんのこと、子どもたちのキャリア開発にも力を入れている。学生のうちは仕事や実社会についての知識が少なく、何になりたいか、何をやりたいか、どうなりたいかの具体的なヴィジョンがないまま進学先を決めてしまう人も少なくない。吉田塾での英語教育を通して、盤石な英語力を身につける手助けをするとともに、磨き上げた学習姿勢、鍛え抜いた精神力をもって、将来の選択肢の幅を大きく広げることができるよう教育していきたい。